母の入院
母が入院しました。
もともと腫瘍を抱えていて、これで何度目かの再発。
でも今回は進行が早くて、障害が残るのを止められなかった。
退院すれば要介護者になる。
元々、冗談で、介護なんてできないからね〜
介護者になったら施設なんだからね!と言っていて、
それは、日常生活をがんばってもらうためのハッパでもあった。
やっぱり加齢により体力は落ちるし、
これまで普通にしていたことが、ひとつずつしんどくなっていく。
だからと言って、じゃやってあげるよ。とはならない。
何というか、元々ソーシャルディスタンスな家なんだよね、ウチ。
おのおのやり方とこだわりがあって、
マイペースを崩されることをひどく嫌う性格。
家族もバラバラに暮らしていて、でも別に仲が悪いわけでもなく。
お盆や年末年始やGWには一緒に過ごして、
楽しかったね、またねと手を振り合い、一抹の寂しさとどこかほっとした気持ちを抱えて、またそれぞれの生活に戻る。
この10年くらいその距離感でやってきたし、
たぶんそのくらいじゃないと無理なんです。
だから今回も、退院直後1週間くらいは一緒にいるとしても、その後はヘルパーさんと通いかなと思っていた。
私の家と母の住む家は1時間弱だから、通うくらいならできるかなと。
でも思いの外、母の状態は良くないようで…
と言っても自称なんだよな。
コロナの影響でお見舞いには行けない。
だから母の状態は、本人からのLINEで聞くのみ。
父は足繁く病院に通って、看護婦さんや先生から話を聞いてはいるんだけど、
どうやら本人の自己申告と内容が食い違うらしい。
LINEの文面からも伝わってくる、母の異様な躁状態。
とにかく文字の嵐。すごい頻度。
一人で不安だし、寂しいんだろう。分かってほしいんだと思う。
でもある種のテンションが私は怖くて尻込みしてしまう。
とても一緒に暮らすなんてできないと思ってしまう。
これは今だけなのだと思いもする。
でも介護の世界に家族だけで閉じ込められるのは怖いね。
煮詰まるのは時間の問題だし、家族の心身の健康を害してまで介護をすべきだとは、私は思えない。
冷たい娘でごめんなさい。
20年前、やっぱり祖母が要介護になって、駆けずり回っていた母を思い出す。
母は祖母のことをとても心配していた。
ケアマネージャーやヘルパーさんや施設やら、
あっちこっち走り回っていた。
祖母が元気だった頃、祖母はいつも母を心配していた。
2人は毎日のように電話で話して、喧嘩したり慰めあったりしていた。
それに比べるとなんと私の冷たいことか。
時折夢に現れる祖母は相変わらずわがままだけど、
やっぱり家族を第一に考えている。