子ども

わたしには子どもがいません。

 

のみならず、このまま産まないんだろうな、と思う。

産みたくないとか、子どもが嫌いとか、

そんな積極的な理由なんかないけれど、

タイミングもあり、諸事情もあり、産むことはもうないかなと。

 

子どもを産むのが女の幸せなんて言葉はナンセンスだし、

それに関する政治家の無神経な発言を聞けば、

やっぱりおもしろくない。

 

とは言え、子孫を残すという行為にまるで参加していないことに、一抹の寂しさもある。

 

そして、ここのところ相次ぐ虐待のニュースを聞き、

なんとかならんのかいなとしみじみ思う。

 

虐待ニュースとセットになるのは、

親を責める報道だけれど、

逆上がりできない人を責め立てたところで、

できないもんはできないんだ。

 

虐待は貧困と隣り合わせだと言う。

どんなに愛し合っていたって、

貧困とは濁流に押し流されているようなもの。

しっかり握り合った手もいつしか離れてしまうものだと。

 

最近、西原理恵子さんの描くものが好きで、

洗いざらい読み漁りました。

毎日かあさんが有名だけど、それだけじゃなくて、

世界中の子どもたちをテーマに、描いている。

 

その中であったフレーズ。

親と子どもは、同じ道を辿ってしまうということ。

売人の子は売人に、ホステスの子はホステスに。

荒れた家庭で育った子は大人になり、

自分が育った家にそっくりの家をまた作ってしまう。

 

それはきっと遺伝だけではなくて、

物心ついてから見聞きした環境に染まっていくからなんだろう。

もちろん、絶望的に遺伝子がいたずらすることもゼロではないのだろうけれど…

 

虐待ニュースで気になることのもう1つに、

親から離された子どものその後が取り上げられないことがある。

 

虐待はよくない。親と子を引き離さなければならない。

でもその後は?子どもの人生は続いていく。

その子はどうなるの?

子どもを増やすことだけではなく、

産まれた命を守ることも大切なんでないかい?

政治家さんよ。

 

施設に入ることが幸せとは思えない。

施設内での暴力だけでなく、

家庭を知らずに育てば、社会に出てからまた苦労することもあると思う。

 

だから養子縁組とか里親とか、

もっと気楽にできるよう増やすべきだと思うんだよね。

 

だって子どもができなくて苦労してるご夫婦だっていっぱいいる。

だったらあげればいいじゃん?

もらって育てたっていいじゃない?

 

もちろん抵抗ある家族もたくさんあるだろう。

でもそれは数の論理で、例えばクラスの三分の一が血の繋がらない親子です。なんてことになってしまえば、気にしない人も増えるだろって話だ。

日本人はみんなと一緒じゃないと嫌だから、

つまりみんなと一緒であればなんでもいいのよ。

 

ちょっと乱暴な話だけどさ、

単身で子どももらうことだって、ありなんじゃないの?って思ったりもする。

 

単身でお金がある人もいっぱいいる。

少なくとも、若くして子どもを産んだシングルマザーよりは、ずっと社会で働いてきたぶん収入があるだろう。

乳飲み子の世話は無理でも、ある程度年齢がいった子の面倒をみるくらいできるかもしれない。

 

そのことで救われる大人はきっとたくさんいる。

もらわれてきた子と、子育て経験のない大人が親子になれるかは分からないけれど、

でも大人だって昔は子どもだったんだ。

アンを、マリラとマシュウが慈しんだように、

共同生活がうまくはまれば、いつかは家族になれるだろう。

 

そんなの夢物語?

だからリスク回避ばっかり考え過ぎなんだよ、日本は。

だからどんどん息苦しくなっていっちゃうんだよなぁ。