感謝

飛行機はエミレーツ航空でした。

 

キプロスのラルナカ空港でチェックイン。

いつも通りボーディングパスを発行してもらうと、

キプロスからドバイへのチケットは通常通り。

ただし、ドバイから日本へのチケットの座席がSTBYとある。

 

チェックインカウンターは、

〜〜なので、ドバイで確認して。と言う。

よく分からなかったけど、ドバイで確認するのね。

ハイハイと頷いて、パスポートコントロールを抜けてゲートへ。

 

で、どっかりとベンチに座って、「航空券 STBY」でググってみた。

 

そう、全然分かってなかったんだけど、オーバーブッキングした航空会社が満席で座席が確保できないときに、スタンバイ=キャンセル待ち、ということなのね。

つまり、乗れないことも普通にあると。

なんだ、それは!聞いてないぞ!

 

どうしよう⁉︎と思ったけれど、どうしようもない。

旅の疲れもあって、呆然としたまま待ち時間はあっという間に過ぎ、やって来た飛行機に乗り込みます。

 

飛行機の入り口で、チケットとパスポートを見せて中へ入ろうとしたら、なんとエラーが出た。

どうやらこの便でも座席の確保がされていなかった模様。

ボスキャラ風のスチュワーデスさんが現れ、何やらパソコンをいじったあげく、別の座席を手書きで書き込み、

良かったわね、乗れるわよ。とにっこりチケットを返して来た。

 

乗れるのは当たり前でしょう!予約してるんだから!

憤然とチケットを受け取り、ドバイでの決戦に向けて闘志を高めながら、飛行機の中へ。

乗り込む飛行機には、既にマルタから乗っている人たちもいて、押し合いへしあいしている中を奥へと進んでいくと、

手を振っている日本人らしき女性が目に入った。

 

振り返るも、見渡す限りアジア人はわたしだけ。

てことはわたしに手を振ってるの?

もう一度その女性をみると、マスクを取った顔はなんと、友だち!

 

一時期はしょっちゅう飲み歩いて、旅行もしたりした友だちです。

ここ2年ばかりぱったり連絡を取っていなかった。

それがこんなところで!

 

ひゃ〜!うそ〜!なんで〜!と大騒ぎして、

でもパッケージツアーに参加しているというので一応周りに配慮しつつ、飛行中に隅っこで近況報告しつつ、旅の話をしつつ、チケットの話をしてみました。

そうして彼女のツアーの添乗員さんに相談してみることに。

 

添乗員さん曰く、別によくある話だそうで、乗れない事も多々あるようです。

彼女自身も今回、他の人と席がダブっているから、このままだと乗れないとか。

 

乗れないとどうなるの?よくあるってどのくらいの確率で?そんなことになって苦情は出ないの?

 

正直、とっても驚いたので色々聞いてしまったんだけど、

顧客でもないわたしにあれこれ聞かれる添乗員さんはとても迷惑そうだった。

 

ドバイについて、ゲート移動は友だちと一緒に行き、

ゲートに着くなり、添乗員さんはカウンターに駆け込んだ。

後をついて行くと、振り返ってあっちが空いてる!と叫ぶ添乗員さん。

 

言われるがまま、空いたいカウンターへ行くと、

あっさり座席は確保され、無事に乗り込めることになりました。

そのまま飛行機に乗り込むよう言われたので、状況を友だちに伝えて欲しいとお願いすると、

頷いたもののやはり迷惑顔。

 

そりゃさ〜わたしは客じゃないけれど、

でも顧客予備軍ではあるわけだよね。

だったらここで親切にしといたほうが、いいんじゃないの?

大体、申し込んだツアーじゃない添乗員さんに親切にしてもらうことは、これまでも何度かあった。

でもこの人は、すげ〜ケチくさいな。

 

ドバイから日本へ向かう飛行機の中、

もんもんとそんなことを考え、イラついたりもしつつ、また考えたりもしつつするうちに、成田に到着しました。

 

成田で添乗員さんを見かけたときはどうしようかと思ったけど…

でも色々教えてもらって安心した部分はあったのです。

ゲートカウンターで話をすればいいのだとか、そんなことも分かってなかったし。

だから、声をかけてお礼を言いました。

添乗員さんは驚いた顔をしていた。

 

荷物受け取りの場所で友だちと再会し、一緒に荷物を待っていると、添乗員さんから声をかけて来ました。

その時の顔は迷惑顔ではなくて笑顔で、

お礼を言ってよかったなと思った。

 

このハプニングは、いい旅の思い出になったし、経験値になった。

何より感謝したことが、自分のためになったのでした。