アツさふたたび!
灼熱の太陽が戻って来た。
冗談でもなんでもなく、
ベランダで洗濯物を干すだけでクラリとくる太陽。
日傘も帽子もなしでちょっと歩いて、立ち眩みを起こしかけた。
水分はしっかり取ってたのに!やだなぁ、こわい、怖い。
ギラギラと照らす太陽の元で、エアコンだの、日傘だの、屋内だの、ツールは数あれど、なんとか勤勉な日本人が乗り切れるのは、四季があるからだ。
精々、数ヶ月のガマン。
こんなもん、365日続いたらやってられない。
そんな国だってあるけれど、そこでは日本人的働き方はしてないんだろうと思う。
へらへらと、はっきりとした意思表示をしないままに、愛想笑いしていたら、いつの間にか二社、面談を受けることになってしまった。
まだ決まってないの?大変だ!と言う知り合いにへらへらしている時はまだしも、
その先の初めましての方々とやりとりをしていると、ある種の緊張感が体を走るのを感じる…
よく知ってる緊張感。
ぼんやりと怠惰な我が身を押し隠して、社会性を引きずり出すこの感じ。
キビキビと効率的に反射的に、有能さをアピールするクセが体にもう染みついている。
わたしに巣食うサラリーマン根性。
そうなんだよね、わたしはこの感じをすごくよく知っている。
義母と娘のブルースというドラマでは、えらく極端なキャリアウーマンが描かれているけれど、
あんな人はまずいないとして、根底に流れる感じはよく分かる。
感情を押し殺すあまり、他人の感情に鈍感なのはもちろん、自分の価値観さえ見失いがちで、
効率を重要視するあまり、ゆとりや面白味に欠けがちで、
自宅に戻ってからも仕事してしまう。もしくは考えてしまう。
そこに違和感を感じるのは女だからなんだろうな。
男性陣はそんなの当たり前に生きている。
結婚して、家事も子育ても奥さんに丸投げして、仕事さえしてればいい。
というか、仕事があればその他の面倒なことに関わらずに済む。
だから、昼でも夜でも休日でも、仕事に侵食されるのは逆に助かる。
的なサラリーマンをわたしはいっぱい見て来た。
プライベートを大切にしている人もいないわけじゃなかったけど、
そういう人は大概誰かに何かを押し付けている。なんの罪悪感もないままに。
わたしもそれができる立場にあったけれど、投げ打って飛び出した以上、新しい環境では当面それは難しいだろう。
というより、そういったこと。
感情を押し殺しての緊張感、
日常より優先される経済効果以外の利点を持たない業務、
個人より集団あれかしとする文化。
そういうものが嫌で飛び出したのに、またあそこに戻るの…?わたし。
会社は変わっても業界は変わらない。
だって何しろこれまでのわたしをよく知る人がお膳立てした話だもの。
背負う社名が変わるだけだ。
なんだか、違う。
夏は終わるけど、この世界はこれからも続いていく。
365日なんてやってられない。
夏は終わる。
ぼんやりと夢見がちに、ひたすら暑さに耐えるだけで過ごした。
でも、それはもう、終わりにしなければならない。