小学校の頃、読書記録というのがあって、

本を一冊読むごとに、本の題名を書いて、教室に貼られたグラフに貼っていくというもの。

本は小さな頃から好きで、土曜日の朝は一番に図書館まで自転車を飛ばすような子だったけれど、

それを人と争うのがバカバカしくて、わたしは読んでも貼りませんでした。

 

今思うと、なんて可愛くない小学生!

先生は言った。◯◯さん、本、好きでしょう?

どんどん、貼りなさい。

 

クラスで目立たないように過ごしていた私が何を思ったのか、

突然、貼ることに決めました。

と言っても本を読むペースはいつも通り。

今とおんなじ。1日に1冊くらいかな。

 

あっという間にトップクラスに躍り出て、

クラスで2位になりました。

1位だったのは、運動も得意で勉強もできる、学級委員の女の子。

 

どうしようか迷ったけれど、数日で彼女を追い越しました。

クラスの男の子たちはみんな言った。

お前は嘘をついてる。本なんか読んでない!と。

 

驚いて先生の顔を見た。

先生は何も言わなかった。

追い越された彼女も、下を向いて黙っていた。

 

その日からわたしは貼るのをやめました。

いつも通り本は読む。でもグラフは貼らない。

トップは彼女。学年の終わりにその子はみんなに拍手された。

 

なんでこんなこと思い出したのかなぁ。

ここのところ本ばっかり読んでるからなのかも、

もうすっかり忘れていた。

 

わたしは読書が好きです。

誰に褒められたいわけでもなく、自分のために。

最近はテレビ見るよりも好きかも。

 

でも、テレビでもマンガでも本でも、知識の吸収と思えば、無駄なことなんてない。

例えば仕事ばかりしていて、一切そう言った世界をシャットダウンしてると、仕事はできても、人としては未成熟な人になると思う。

ま、仕事せずに本ばっかり読んでるのも問題だけど(笑)

 

最近ハマってるのは、高山なおみさん。

あとモモに端を発して、児童小説。リンドグレーンとか。

 

リンドグレーンの戦争日記も読みました。

第二次世界大戦中、30代で二児の母、働く女性だった彼女は、自国が巻き込まれてはいない戦争のことで、心を痛め、それでも戦時中にあの有名な長くつ下のピッピを書く。

ずっと冷静で、でも女性らしさを失わない、幼心も忘れない、すごい人だった。

 

高山なおみさんも、メディアと働きながら、自分らしさを失わず、家族や仲間を大事に暮らしていて、その日々を綴っている。

 

すごいなぁ。

すぐに何にでも呑まれるわたしは、しみじみそう思う。