中年の危機。つづき。

デジタル基礎知識が何もないままに入社したわたしは、

しばし会社に放置され、いかんいかんと資格試験を受けて半年かけてなんとか知識を詰め込み、

その後本社へ出向。

 

所属した部署は、ここ数年で結成された、デジタル技術の最先端をいく部署であり、

社内でも「あそこって何やってるとこなの?」と思われがちな、マニアックな部署でした。

 

新しい部署であるが所以か、所属は入社2〜3年目ばかり。

親子ほどにも年の離れたその子たちに色々教えてもらって、なんとか知識を詰め込み、

半年かけて人に説明できるレベルになった。

とは言え知らないことはまだまだあり、

あちこちで人に仕事を教えてもらう毎日。

 

でね。その新知識を引っさげて自社に持ち帰ると、

つまんないダメ出ししてくる、同世代の女性がいるんです。

その人は誰に対してもすごく上から目線なんだよね。

 

たぶんそれは中年の危機で言うところの

「同僚への屈辱感」なんだろうな、と思った。

彼女は役付でわたしはヒラだけど、だからこそ楽しそうにしているわたしが目障りなのかなぁ。と。

 

楽しいってほど気楽なもんてないけどね、

日々葛藤もストレスもあるし。

毎日、夜になればヘトヘトだし。

 

だけど、新しい知識を入れるということは楽しい。

登ってる感があるから、毎日同じことしてた一年前よりはるかに充実してると思う。

教えてもらうという立場は気楽でもある。

 

みんな、なぜ知っている側に立とうとするのか。

上に立てるという優越感から来るんだろうか。

でもその「上」は狭い世界における上であって、

一歩外へ踏み出してしまえば、上でもなんでもない。

 

おうちにいればお母さんが天才と褒めてくれるけど、

学校での成績は中くらい、

全国模試受けた偏差値は低!

みたいなもんだ。

そしてまた海外へ出れば、自分のレベルの低さに驚愕することがあれこれあったりするし。

それが怖くて家に閉じこもれば、いずれ不健康な不満が身近な人へと向けられる。そんな日はきっとくる。

 

だからずーっと教えられる立場でいたいな、わたしは。

あの同僚の女性は、きっと去年までの自分だし、

来年のわたしに充分なりえる。今そこにある危機だ。

 

怖い!怖すぎる。そんなのは嫌。

これはこれで、「過去犯した過ちを正す」かもしれないけど、それは別に危機でもなんでもなく、人としての進化。良いことだし。

 

新しいことに手を出すことが怖くなったら、きっとそれは中年の始まり。

そして新しいことをする誰かを面白くなく思うのなら、それは中年こじらせ時期だし、

末期は鬱。

 

気を付けよう!

 

彼女。大丈夫かな。

わたしで力になれること、何かあるかしら。

ハリネズミみたいになってる気がするから、絡むのも少しこわいけど…